お菓子何でも情報館

お菓子の種類

色々な和菓子の説明

青丹よし(あおによし)

くず粉と砂糖を混ぜ合わせて、若草色と薄紅色に分け、それぞれを短ざく型に押し固めたものです。

押しもの菓子の一つで、奈良県の名物になっています。

赤坂もち

クルミ入りの求肥餅にきな粉をまぶしたもので、ふろしき風の包装形態が特徴になっています。

赤福

餅に小豆のこしあんをつけたもので、握った指あと二本を残しているのが特徴です。三重県伊勢の名物になっています。

秋田諸越

押しもの菓子の一つ。小豆でつくった落(らく)がんで、小豆の風味の香ばしい菓子になっています。秋田県の名物になっています。

安倍川もち

つきたての餅をちぎり、砂糖を少量加えたきな粉をまぶし、上から砂糖をかけます。

本来、きな粉をまぶしたものだけでしたが、現在は小豆のこしあんでくるんだものも安倍川もちといっています。静岡県安倍川の名物菓子になっています。

あまなっとう(甘納豆)

小豆、うずらまめ、きんときまめ、いんげんまめ、そらまめ、ささげ、グリンピースなどを砂糖液に漬けて甘く煮詰め、さらに 白砂糖をまぶしつけたもので、砂糖漬け菓子の一つです。

豆以外の栗やさつまいもでつくったものもあります。材料によって味わいが違う楽しさがあります。

あられ ・おかき

もち米を主原料とした焼き(揚げ)菓子です。あられは、すでに平安時代に鏡餅を欠き砕いてつくったようだといわれています。煎る時に音を立ててはね、膨らむ様子と形が降ってくるあられに似ていることから、この名があります。

商品として多量に生産されるようになるのは、江戸時代になってからといわれています。明確な区分はありませんが、粒の大きなものなどは「おかき」といわれます。

あるへいとう(有平糖)

砂糖に水あめを適宜配合し、煮詰め、成形、冷却あるいは細工して仕上げます。種々の細工がきくので、昔から飾り菓子としてお祝いものや供え物、茶の湯のときの干菓子などに用いられてきました。

もとは南蛮菓子の一種で、ポルトガル語の「砂糖菓子」を意味するアルフェロアがなまったものです。桃山時代にポルトガル船によって日本に輸入されたといわれています。

淡雪羹

卵白の細かい泡に、寒天を入れて固めたもので、水ようかんに近い和生菓子の一種です。

まるで白い雪のようで、口の中でとろけるような舌ざわりがあり、ちょうど、春の雪がとける感じを与えるのでこの名前が付けられたようです。

あんころ餅

もちをあんで包んだ菓子です。ぼた餅と異なるところは、ぼた餅が、ただあんをちぎった餅にのせるか、まぶす素朴な形態であるのに対し、あんころ餅は、形を、きれいにととのえているところです。

あんドーナツ

日本風のドーナツの一種です。小麦粉に水・砂糖・バター・卵等を混ぜた生地で甘い餡を包み、油で揚げた菓子です。

あん巻き

小麦粉をといて薄く焼いた皮であんを巻いたもの、焼きもの菓子の一種です。

大きさや形を変えて、各地で名物になっている庶民的な菓子です。

いしごろも(石衣)

半乾きのあん玉に糖衣をかけたもので、半生菓子の一種です。白い砂糖の衣を通して見えるあんの色が美しく美味しさを誘います。

関西ではその形がきのこの松露(しょうろ)に似ていることから、その名で呼ばれます。

田舎まんじゅう

薄い皮で餡を包み蒸したもので、まんじゅうの中のあんが、ところどころ見えるくらい薄い皮が特長になっています。蒸し菓子の一種で、薄皮まんじゅうとも言われます。

亥の子餅

里いもと米をつきまぜた餅で、和歌山県、三重県で多く作られています。芋と米の配合割合や食べ方に、両県で多少の違いがあるようです。

芋けんぴ

サツマイモを拍子木に切り、油で揚げて砂糖蜜をからめた、かりんとう状の菓子です。

カリッとした歯ざわりがあり、芋の香りと蜜の甘味がとけ合っています。

ういろう(外郎)

うるち米粉にもち粉などを混合して砂糖を加え、少量ので煉(ね)り、箱に流して、せいろうで蒸したお菓子です。はじまりは鎌倉時代のようです。

当初は黒砂糖を使っていたので、色が薬の外郎に色が似ており、「外郎(ういろう)」という名前が付けられたといわれています。その後白砂糖を使うようになって色は似ていないものになりましたが、名前だけはそのまま残ったとのことです。

うぐいす餅

求肥であんを包んだ餅菓子です。外側にあおきな粉をまぶし、うぐいすの色、形に仕上げます。

うんぺい(雲平)

砂糖にみじん粉(もち米を蒸して煎るなどして粉にしたもの)あるいは寒梅粉(白焼き煎餅を粉にしたもの)をまぜ、ぬるま湯を少量落としてまとめ、着色をして、種々の形にかたどったものです。

雲平細工といった、3月3日節句の雛菓子、5月5日男児の節句に松竹梅にかたどったりなど飾り菓子として多く用いられます。

おきなあめ(翁飴)

水あめ、砂糖と寒天で作ったこしと粘りのあるゼリー状の飴です。

小倉ようかん

小豆の練りようかんの中に、小豆の密煮をまぜたものです。

練りようかんを代表するようかんの一つで、全国にも多くあります。

小城羊羹

ねりようかんの一種で、佐賀県小城の名物になっています。

おのろけ豆

豆菓子の一種です。炒った落花生に、砂糖と塩を混ぜた米粉で衣がけして、あぶり焼きにしたものです。

衣に醤油を絡ませる工程で、1粒1粒が仲良さそうにくっついてしまうことが多かったことから、「おのろけ」と昔から呼ばれているそうです。

おこし

もち米、うるち米、粟などを原料としたおこし種(蒸して乾燥し、炒ったもの)に豆類やごまなどを混ぜ、煮詰めたシラップを掛け、延ばし板等で任意に成形、切断して仕上げたものです。

岩おこし

大阪を中心にしてつくられているおこしです。

粟おこし

原料は米で、糒(ほしい)を粟粒のように細かくひいたものを糖液で固めてつくったものです。おこしの一種で大阪の名物になっています。

雷おこし

おこしの一種で、東京浅草の雷門の名物になっています。

おはぎ(お萩)

「もち米」あるいは「うるち米」を炊き、軽く搗いたものを丸め、あん、きな粉、ごまなどをつけたものです。ぼたもち(牡丹餅)との区別については諸説あり、一般的には春に作れば「ぼたもち」、秋に作れば「おはぎ」と呼ばれていたが、今はいつ作っても「おはぎ」ということが多いようです。

その他、こしあんをつけたものを「ぼたもち」といい、つぶあんをつけたものを「おはぎ」いう説、中がもち米主体であれば「ぼたもち」、うるち米主体であれば「おはぎ」という説などがあります。はっきり定義するのは難しいようです。お彼岸に供える風習から育ったお菓子といえそうです。

おめでとう(ひなあられ)

加熱・膨張させたもち米を主材料とし、シラップを適宜着色して掛けたもので、パリッとした食感が特徴です。

甘納豆や雲平ものなどを添えて製品とします。

かいちゅうしるこ(懐中しるこ)

携帯用のしるこです。さらしあん(無糖の粉末あん)に砂糖、塩、でんぷん、求肥(「ぎゅうひ」の項参照)などが加えられ、最中(もなか)の皮で包んだものと、材料を固めたものとがあり、そのまま器に入れて熱湯をそそぐと、即席にしるこができます。

かしわもち(柏餅)

うるち米の粉で、円形の平たい餅を作り、小豆あんか味噌あんを入れ、二つ折りにして、柏の葉で包んだもので、5月5日の端午の節句を祝って作る餅です。端午の節句といえば、忘れてならないものに「ちまき」があります。

ちまきの歴史は大変古く、草木の葉で包んだり、巻いたりした菓子のはじまりは「源氏物語」に書かれていることに発しているようです。ちなみに、柏餅は江戸時代(寛永年間1624~1644)の頃につくられ始めたようです。当初は塩あんであったのが、江戸時代後期になって小豆あん、味噌あんが一般的になったようです。

カステラ

天正年間(1573~1592)長崎にポルトガル人がその製法を伝えたといわれています。卵、砂糖、小麦粉、はちみつ、水あめ、牛乳などで調整した半流動状の生地を、木枠に流し込み、1時間程度の時間をかけてオーブンで焼いて作ります。

もともとは西洋からきたもので、洋菓子ですが、日本に入ってから日が長く、今では日本独特のものとなっているので、和菓子として扱われています。

亀の甲せんべい

小麦粉、卵、砂糖などを合わせて亀の甲の形にうすく焼いたせんべいで、そりのある表面には、亀の甲の模様があります。

亀の甲せんべいは各地にひろがり、名菓として残りましたが、現在、山口県下関市のものが知られています。

かのこ(鹿の子)

求肥(「ぎゅうひ」の項参照)又はようかんをあんで包んで丸め、その周囲に甘く煮た小豆、白いんげんなどを張りつけたものです。

表面の小豆の粒が鹿の背の斑紋に似ているところからこの名があり、江戸時代から伝わっているお菓子です。

かりんとう

小麦粉に砂糖を加え油で揚げ、外側に煮とかした黒砂糖又は白砂糖をかけたものです。漢字では「花林糖」と書きます。名前の由来はよくわかっていません。

かりんとうが庶民に親しまれるようになったのは、明治初期東京浅草あたりからといわれています。

かるかん

鹿児島県の銘菓で、地元で採れる山芋を生かしてつくられたお菓子です。山芋をすりおろし、かるかん粉(粗く仕上げたうるち米粉)と砂糖を加えてこね合わせ、せいろうで蒸してつくります。

蒸し上がった菓子はふわりと軽いので、軽い羹(あつもの)というところから「かるかん」と呼ばれるようになったとのことです。作られたはじまりは安政年間(薩摩藩主島津斉彬のころ)といわれています。

瓦せんべい

瓦の形をかたどってつくったせんべいで、小型のものから、30cm以上の本物の屋根瓦と同じ大きさのものまであります。

こんがりとした焼き色をしています。卵とハチミツを使っていますので、香ばしく、さっぱりした甘味があります。

黄味しぐれ

白あんに卵黄を加えたあんで小豆を包み、蒸したものです。

表面に亀裂が入り、中のあんがのぞくのが特長で、蒸し菓子の一種です。

ぎゅうひ(求肥)

白玉粉(もち米を水挽きしたもので、でんぷんに近い)に砂糖や水あめを加えて、練り上げた餅状のもの。純白で、柔軟性があり、昔は牛の皮に似ているので、「牛皮」「牛脾」とも書いていました。

仏教思想から鳥獣肉を食べなかった時代にその字をきらって「求肥」と書き改められたといわれています。求肥は羽二重餅のようにそのままでも餅菓子になりますが、生地として用い、あんを巻いて「求肥まんじゅう」、ようかんを巻いて「きぬた」、その他「若草」「甘露梅」など多くの餅菓子に用いられています。

きんぎょく

ようかん風でゼリー状の和生菓子です。寒天に砂糖や水あめをまぜ、型に流して冷やし固めたもので、涼味をおびた透明、半透明のお菓子です。各種の補添材料を加えて、特徴ある味覚

を持った製品が作られています。

金太郎飴

棒あめに金太郎の顔を仕込んだもので、どこを折っても同じ模様が出てきます。あめの一種です。

きんつば(金鍔)

四角に切ったあんを、あらかじめ薄くといておいた小麦粉の液につけて、鉄板の上で焼いたもの。

きんつばの前身は、京都の「銀つば(米粉を使い、皮が白みがかっている)」といわれています。亭保年間(1716~1736)に江戸に渡り、小麦粉に変るとともに、「金つば」と名付けられたといわれています。「つば」の名は、当時の形が刀のつばに似ているところからきているといわれています。現在の「きんつば」の形は、明治時代になってから出ています。

草餅

よもぎの若葉を搗き混ぜた餅です。甘みを加えない餅とあんを包んだ餅菓子があります。

くずざくら(葛桜)

あんを葛(くず)で包み、これをさらに桜の青葉に包んだまんじゅうで、透明感のあるくず生地を通してあんが見え、涼感があるため、夏向きのお菓子として親しまれています。

関西では、葛まんじゅうと呼ばれています。冷たく冷やして食べると美味しいお菓子です。

くず餅

くず粉を練って、冷やして固めたものを切り分け、黒蜜やきな粉つけます。透明感があり、涼しそうなところから夏によろこばれそうな菓子です。

くずきり

くず粉を透明に煮て固め、細長く切り、冷やして黒蜜などをかけて食べるものです。

冷たいくずがのどを通る清涼感が、この菓子の特徴です。

くりまんじゅう(栗まんじゅう)

栗あん、又は栗を混ぜた白あんを詰めた、小判形や栗形のまんじゅう。

表面に卵黄を塗って焼くため、上側がつやのある焦げ茶色になっています。

くりようかん

練りようかんの一種で、小豆の練りようかんの中に密漬けしたくりを散らしたものと、小豆を使用せず、くりだけを練ってあんにしたものの二種類があります。

どちらもくりの香りがと甘さが漂い味わい深いようかんになっています。

げっぺい(月餅)

中国のお菓子の一種。中国では、陰暦8月15日は中秋節でこの日は種々の果物、野菜に、それに月餅を供え、一家の円満を祈る風習が古くから行われています。

小麦粉に卵や油を入れた作った皮で、小豆あんやくるみなどのナッツ類やごまなどを混ぜたあんを包み、型にいれて押し、表面が艶の良い鮮明な模様を持った製品に仕上げられます。

ごかぼう(五家宝)

干し飯を膨らませて水あめで棒状に固め、青黄な粉をまぶし適宜な長さに切った菓子です。埼玉県熊谷の名物です。

越の雪

みじん粉と和三盆でつくったものです。雪のように白くきめが細かく、口に入れると、あたかも春の淡雪のようにとけるので、この名がつけられたようです。

こなし

あんに小麦粉、もち粉などを混ぜて蒸し、砂糖を加えながら手で揉こなして仕上げたものです。こなしという名前はこの作業から来ています。

粘りがあり、煉切(「ねりきり」の項参照)同じように細工菓子あるいは包み生地として利用され様々な菓子が作られています。

金平糖

表面に角があり、デコボコした豆粒大の砂糖菓子で、いろいろな色や大きさのものがあります。

子男鹿(さおしか)

切ると、切り口に大納言小豆が見えます。ヤマノイモの香りが高く、しっとりした舌ざわりがあり、蒸し菓子の一種です。徳島市の銘菓になっています。

酒まんじゅう

酒種を使い、発酵によってできた二酸化炭素を利用して、まんじゅうの皮を膨らませたものです。蒸し菓子の一種です。

さくらもち(桜餅)・どうみょうじさくらもち(道明寺桜餅)

塩漬けした桜の葉を巻いた餅菓子です。小麦粉、白玉粉(もち米を水挽きしたもので、でんぷんにちかい)、砂糖を混ぜてこね、鉄板上で薄く延ばして焼き、これであんを巻くか、あるいは包み、桜の葉で巻いて作ります。桜の香りを楽しむ季節のお菓子として親しまれています。桜の名所だった江戸向島長命寺の人が考案したといわれています。

現在も向島で「長命寺さくら餅」という名前で販売されています。関西では、道明寺粉(もち米を蒸して乾燥し、粗く挽いたもの)を蒸して、あんを入れて俵形に作り、桜の葉で巻いた道明寺桜餅(「道明寺」ともいいます)が多いようです。(写真右:関西風の道明寺桜餅)

しおがま(塩がま)

みじん粉(もち米を蒸して煎るなどして粉にしたもの)、砂糖、塩、塩漬けのしその葉を合わせ押し固めてつくります。押し物菓子の一種で、落雁風の和干菓子です。

宮城県塩釜港附近で売り出されたことから発祥の地の地名がつけられたもので、いまでは各地でつくられています。

塩味(しおみ)まんじゅう

みじん粉に砂糖と蜜を加えた、やわらかいらくがんのような皮で、こしあんを包んだものです。形は小さく、こんもりとした腰高であんにうすく塩味がつけてあります。

まんじゅう型をしたらくがん状の菓子で、兵庫県赤穂市の名物になっています。

柴舟

小判型で軽くそりのついた形は、水に浮かぶ柴舟の形になぞらえてつくられたものといわれています。

小麦粉と砂糖で軽く焼き上げたせんべいに、白いショウガ糖が塗ってあります。せんべいの一種で、金沢市の銘菓になっています。

杓子せんべい

卵、小麦粉、砂糖を混ぜて焼いたもので、肌目の細かいせんべいです。形は杓子を模した形をしています。

じょうよまんじゅう(薯蕷まんじゅう)

まんじゅうの皮のつなぎに山芋をすって入れ、蒸してふくらませたものです。

関西では、おめでたいときに紅白の薯蕷まんじゅうを用いることが多いので、「上用まんじゅう」ともいわれています。しっとりした口当たりが上品なお菓子です。

白玉だんご

しるこや、ぜんざいに入れたり、蜜や、あんをからめて食べたりします。

白玉粉に水を少しずつ加えてこね、耳たぶくらいの硬さにし、形を整えて沸騰したお湯でゆで、浮いてきたら冷水にとります。

しるこ

関東(江戸)では、こしあんに切り餅をいれて「しるこ」と言うようです。

関西では、もっぱら粒あんの「しるこ」を「ぜんざい」と言うようですが、こしあんのものも、「しるこ」、またはこしあんの「ぜんざい」と言うようです。

ぜんざい

しるこの一種。煮立てた小豆つぶあんを椀に盛り、切り餅など入れたものです。「ぜんさい」は善哉と書き、仏教語で喜ぶという意味だそうです。

ぜんざいの中に入れるものは、餅のほかに蜜煮くり、蒸したくり、白玉餅などがあります。

すあま(素甘)

上しん粉(目の細かいうるち米粉)をこねてこぶし大にちぎり、蒸したあと、臼で搗きながら少しずつ砂糖を加えてつくられる餅状の菓子です。

角のない三角形や棹物といわれる棒状の形のもの、色はピンク・緑などがあります。紅白にした「鳥の子餅」としてお祝いごとに多く用いられます。「すはま」とは別の菓子です。

すはま(洲浜)

豆飴ともいう。きな粉や青きな粉に砂糖、水あめを練り混ぜて生地を作り、棒状にして形を整えたものです。「すあま」とは違います。

ずんだ餅

東北各県の郷土食で、枝豆をあんにした餅。宮城県で「ずんだ餅」と言われています。

せきはん(赤飯)

おこわともいいます。もち米に対してその1割程度の小豆か、ささげを混ぜて作ります。

せんべい(煎餅)

うるち米系のものと小麦粉系のものとがあります。一定の形に抜いて焼いたもので、種に、砂糖、卵、水あめ、みそなどを加えたり、表面にしょうゆなどを塗って焼くものもあります。通常せんべいというと、関西では小麦粉で作った甘味のある薄い板状に焼いたものをさし、関東では、塩せんべいなど米菓をさすことが多いようです。

「煎餅」というのは、中国に古くからあったようで、小麦粉を練って油で焼いたり、揚げたりしたものだったようです。これが「唐菓子」として奈良時代に日本に伝えられているようです。うるち米は明治に始まるとされています。ここで主な地方の名物せんべいに「山親爺」「八戸せんべい」「花いかだ」「磯部せんべい」「草加せんべい」「紅梅焼」「栃の実せんべい」「松風」「芝舟」「八ッ橋」「亀の甲せんべい」「瓦せんべい」「九十九島せんべい」などがあります。

だいふくもち(大福餅)

「あん」を薄い餅の皮で包んだものです。昔は塩あんで、昼飯の代用としても食べられました。

江戸中期のころ、夜に焼鍋に大福餅を並べて焼きながら売り歩くことが流行り、江戸の人々に好まれたお菓子とのことです。

だんご

米、麦、粟、きびなどの穀類の粉を単独、または、くず、かたくり粉、その他のでんぷん類を加えてこね、丸めて蒸す、ゆでる、あるいは焼くなどしたもので、さらに、あん、きな粉、ごま、みそ、しょうゆ、砂糖などをまぶしたものが多くあります。「言問だんご」「きびだんご」「草だんご」「笹だんご」など種類が多くあります。

千歳飴

11月15日を中心に、七歳、五歳、三歳の子供の成長を祝う「七五三」の縁起飴です。紅白の棒飴で、江戸時代に浅草の飴売七兵衛が「千年飴」「寿命飴」と名付けて売ったのが始りといわれています。宮参りの後、親戚や知己へのお礼に配るのが慣例です。

ちまき

くず、又はしん粉でつくった餅、あるいは、もち米を笹などの葉で包み、ささで縛って蒸した菓子です。形は、三角、紡錘形のものがあります。

ちゃつう(茶通)

小麦粉に卵白と砂糖、抹茶を加えてこね、あんを包み、皮の上部に茶の葉を2・3枚つけて焼いたものです。焼きながら方形につくる。6面に焼き色が付き、角などに茶の緑色が残ります。

ちゅうか(中花)

小麦粉、卵、砂糖を使ってどら焼き生地より柔らかい生地で鉄板上で各種の形に焼きあげ、あんや求肥(「ぎゅうひ」の項参照)などと成形して、表面に焼き印などを押して仕上げたものです。あゆ焼きが代表的なものです。

月見団子

旧暦八月十五日の月を十五夜、同九月十三日の月を十三夜といいすすきや団子、芋、豆、栗などを供える風習があります。団子の形状は関東が丸形、関西は里芋の形で餡でくるみます。

月の雫

ぶどうの実を一つずつ萼(がく : 花冠(花弁、またはその集まり)の外側の部分をいう)をつけたまま切り離し、周囲を砂糖衣で純白の玉のように固めたもので、山梨県甲府市の名菓になっています。

つやぶくさ

小麦粉に水を加えて軟らかめの生地として、砂糖、卵、水、膨張剤を加え焼くと、表面に丸い気泡の孔が開いたものが焼き上がります。焼いた面であんを包んだものです。

とうまんじゅう(唐饅頭)

小麦粉、卵、砂糖を水で混ぜ合わせ、三味線胴状の金型に流し、あん玉をいれて両面を焼いたものです。

とち餅

とちの木の実をまぜた餅菓子で、もち米とつきまぜたり、求肥餅にまぜてあんを包んだり、のし餅状にしたものがあります。

どらやき(どら焼き)

よく知られたお菓子です。小麦粉、卵、砂糖をまぜて水でとき、鉄板で円形に二枚焼いて間にあんをはさんだものです。

明治の初期に創案されたようで、名前の由来は、形が船のどら(銅鑼)の形をしているところからきたという説、鉄板のかわりにドラの上で焼いたからという説があるようです。

鳥の子

餅お祝いの贈り物に使われる餅の一つで、餅を卵型に丸め、紅白二色を一組にしたものです。

南部せんべい

小麦粉せんべいの一種で、岩手県盛岡市の名物です。主原料は小麦粉で一般に「麦せんべい」とも言われています。

ねりきり(煉切)

煉(ね)り物の一種で上生菓子といわれるもので、和菓子の代表的なお菓子です。あんを作るとき、よく煉ることが名称の由来です。

白あんに砂糖を加え火にかけてよく煉り、つなぎにみじん粉(もち米を蒸して煎るなどして粉にしたもの)、求肥(「ぎゅうひ」の項参照)などを加えて作った煉り切りあんをいろいろな形に彫刻した木型に押し付けたり、細かい手細工をして造形的な美しさを出します。

色彩も豊かで四季の感じを盛り込んだものが多く、古くから祝儀や茶の湯の菓子として用いられたきました。

はぎの餅

ご飯を半つぶしにして餅状にし、こしあん、粒あん、きな粉などをまぶしたものです。春は「ぼた餅」、秋は「はぎの餅」。

また、つぶあんをつけたものが「ぼた餅」、こしあんをつけたものが「おはぎ」。あるいは、あんをつけた「ぼた餅」に対し、きな粉をつけた「はぎの餅」という場合もあります。

はぶたえもち(羽二重餅)

もち米粉と砂糖を合わせて求肥(「ぎゅうひ」の項参照)に煉(ね)り上げた餅菓子です。

長方形に切られ、羽二重のように滑らかな舌触りが特徴です。明治30年ころ福井県の羽二重の機械販売業者が考案したといわれています。

ぼんたんづけ(文旦漬)

鹿児島の果実菓子です。文旦(「ぶんたん」、「ざぼん」ともいわれる)の外皮を薄く切り、糖蜜で煮た後、乾燥させ、砂糖をまぶして作ったもので、長崎名物のザボン漬と同様なものです。

松風

小麦粉に砂糖、水あめを加えてまぜ、水でときのばして、鉄板に流し込み、適宜に形を整え、上から強火で焼いたもので、焼き菓子の一種です。

まるぼーろ(丸ボーロ)

小麦粉に、卵、砂糖を混ぜ、両面から焼いたやや厚みのある平たい円形の焼き菓子で、佐賀県の名物です。

直接ポルトガル人から伝授されたものとか、鍋島藩の御用菓子司が長崎でオランダ人から製法を習ったものとかいわれています。

みずようかん(水ようかん)

ようかんの一種で、寒天液とあんを合わせて型に流し、固めたもので、名前の通り水分を多く含んでいることが特徴です。夏向きのお菓子で冷やして食べると大変美味しいお菓子です。

むらさめ

あんに砂糖、寒梅粉(白焼き煎餅を粉にしたもの)などを混ぜて生地を成形用の木枠に入れて、押し蓋で軽く押して製品とします。成形のために蒸すことも多いです。

もなか(最中)

もち米をこねて薄く延ばしたものを任意の型に合わせて焼き、それを「最中」の皮として2枚あわせ、中にあんを入れたもの。

最中の起源は、平安時代の「後撰和歌集」源順(みなもとのしたごう)の歌、「池の面に照る月なみを数ふれば今宵ぞ秋のもなかなりける」といわれています。宮中で月見の宴を催したとき、丸い白餅が菓子として出され、その形がちょうど池の面に浮かぶ中秋の名月にそっくりだったので、歌にちなんで「最中の月」と名付けられたといわれています。

ももやま(桃山)

白あんに砂糖、卵黄、少量のみじん粉(もち米を蒸して煎るなどして粉にしたもの)を煉(ね)り混ぜ、型に入れて打ち抜き、表面を焼いて作ったものです。最初茶人に好まれていたので、京都の地名にちなんで名付けられたといわれています。

八ッ橋

京都の名菓の一つです。形は琴に似たたんざく形で、ニッキの味がします。生八ッ橋もあります。

ゆべし(柚餅子)

ゆずを使ったお菓子です。ゆずの皮ともち米粉、うるち粉、砂糖などを混ぜて蒸し、竹の皮に包んで棒状に作ったものです。ゆずの風味をつけた「餅菓子」や「ようかん」などもゆべしといいます。

ゆずの果実の身を取り除き、米粉、調味料、木の実詰めて蒸し、干したものは「丸ゆべし」といい、餅菓子のゆべしと区別しています。丸ゆべしは室町時代につくられ、「柚干」と書かれていました。当時のものはみそ味で菓子というより保存食品に近いものだったようです。

ようかん(羊羹)

和菓子の棹(さお)もの菓子といわれています。あんに砂糖を入れ、寒天を加えて煮詰め、型に流して固めた「煉(ね)りようかん」、ほぼ同様な材料で水分を多くし口溶けよくした「水ようかん」、小豆のこし粉、小麦粉、砂糖を混ぜて煉って蒸した「蒸しようかん」があります。

あんに白あん、抹茶を加えたもの等いろいろあります。ようかんは、鎌倉・室町時代にかけて、中国から禅宗が伝来し、間食の風習ができるとともに点心の一つとして生まれました。点心とは、空心(すきばら)に小食を点ずるという禅語で、間食を意味しています。

らくがん(落雁)

穀粉(もち米、うるち米、大麦、大豆、小豆、そば、栗、そら豆など)に砂糖と少量の 水、水あめなどを加えてよくもみまぜ、これを各種の形を彫りつけた木型に詰めて抜とり、加熱乾燥してつくる、打ち物菓子の一種です。

「らくがん」の名の起こりには、いろいろの説があります。中国の「軟落甘」という菓子の軟を略したものもという説、「落甘」といわず「落雁」となつたのは、当時黒ごまをちらしていたらしく、その様子が舞いおりる雁に似ているところから、近江八景の一つである「堅田落雁」になぞらえ「落雁」になったというものなど説があります。口に含むと使われている材料によってそれぞれの風味が味わえる美味しいお菓子になっています。

コメントは受け付けていません。